ヨコハマを編む ⑤

前回に引き続き、ワークショップの模様をご紹介していきます

※ なお、このカテゴリーの記事は今回が最終回です。

   右サイドバーのカテゴリー「市民のアトリエ ヨコハマを編む99」をクリックすると

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11 抜けるような青空を背景に、巨大な魚網が

支持体になって、そこに在る風景も併せて、

全てが作品になりました。

112 石の廊下に横たわっていただけの人型は、

風を受けて、生き生きと見えます。

自分の作った作品の素晴らしい迫力に、

みんな歓声を上げ、夏の風に吹かれ

ながら、しばし、眺め入りました。

06 出来上がった作品は、施設内ギャラリーと

美術館の外回廊に沿って、展示されました。

これはギャラリーの壁面に展示されたもの。

素材は着彩したダンボールなのですが、

そうは見えないほどの重厚感がありました。

05そして、最後に、これは作品とは別に作った

タイトル・フラッグです。

「ヨコハマ Crossing Paths/

 Margo + Jhon」と書かれています。

Crossing Pathsというのは、道と道とが交わる「辻」、とか、今回使ったネットの「結び目」

という意味があるのですが、そこから派生して、今回のワークショップで

集った人たちの、それぞれの人生の交差、と言う様な意味も込められて

います。

皆が家からそれぞれに、布・ビニール・針金・ストロー・麻紐等々・・・

様々な素材を持ち寄り、一文字一文字作っていきました。

ここでは私の様なボランティア・スタッフも、実際に制作に参加しました。 

取材作業の為、傍観していた方たちと一緒に、あれやこれやとアイデアを

出し合い。 とても、楽しかったです。

ワークショップ =体験型講座 という考え方は、もともとアメリカからきた

発想ですが、今回の様にアートがベースとなる発想は、99年当時、まだ

今ほどポピュラーとは言えない状況でした。

しかし現在でも、その考え方は、特に自発的に興味を持っている、ごく

一部の方には認知されていますが、広く一般的に受け容れられているか、

というと、まだまだ難しい状況の様です。

今回は、実作業の画像を中心に、とても簡単なレポートとして、紹介させて

頂きましたが、この様なワークショップには、実作業の裏方として関わった

スタッフの様々な努力が欠かせないのも事実です。

この様な取り組みは、現在は美術館を中心に様々に企画されています。

HPなどでも紹介されているので、是非お近くの美術館サイトなどを

御覧になってみると、面白い企画を探す事が出来ると思います。

見る、見せる、制作する、評価する、売る、買う・・・などという関わり方

の他に、この様な方法で、アートに関わってみるのも、とても興味深い

事だと思います。

アートに関わる事は、すなわち、人に関わる事だとも思っています。

言い換えると、アートは、あなたが別の人と関わる為の、ひとつの

手段・言葉にもなる得る、と思うのです。

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ヨコハマを編む ④

前回に引き続き、ワークショップの模様をご紹介していきます。

061_1① 前回Upしそびれた画像がありました。

  参加者は、何チームかに分かれて

  制作を進めたのですが、まず初めに

  自らの体を使って、こんな風にポーズ

  を決め、そのアウトラインを、作品に

                           使っていきました。

062 ② これは、ダンボールで紐状の形を作り

  様々な色にペイントしたものを、編んだ

  大変な力作です。

  この作品の切り抜かれた部分も、

  同じ様に編みこまれ、とても重厚な作品に

                                                 なりました。

091 ③ こちらも、見てください。

  切り抜いた網を使って、ジャグリング

  に使われる、カラフルな長い風船で編んだ

  バルーン・マンです。

  空気を入れてから編むのですが、何度も

  破裂してしまい、大変苦心していました。

  でも、出来上がりは上々。

  日に透けた影もカラフルで、思いがけず

  ビックリ&感動!です・・・

次回は、いよいよ最終回です。 展示風景をご紹介したいと思います。

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ヨコハマを編む ③

前回に引き続き、ワークショップの様子をご紹介していきます

021④さあここからは、試行錯誤あるのみです。

 皆、それぞれに持ち寄った素材で、人型

 を編みこんでいきます。

 その発想は、驚くほど様々!

101_1⑤ 左:CDを沢山使ってメタリックな未来人

  を作り上げた、通称ディスク・マン!

081_1 ⑥そして、これは バスケタリー作家の

  お二人で、自宅に届いた世界中の

  郵便物の宛名と切手を、リボン状に

  畳んで編みこんだ物。 

  横浜が貿易港でもあることを、下敷き

  にして発想した、まさに作家ならでわ

  のコンセプトですね。

071 ⑦そしてこれは、木片に原色の色付け

  をし、穴を開けて梱包用ロープを通し、

  編んだもの。 若い女性の発想らしく

  綺麗な色使いでしたが、紐の形が

  クモの巣の様だとか、銃弾で割れた

窓ガラスの様だとか、周りの感想は色々と飛び出し、思いがけず、想像力を

掻き立てられる結果となりました。

(次回に続く・・・)

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ヨコハマを編む ②

99年7月31・8月1日の2日間にかけて行なわれた、ワークショップの模様に

ついて、ご紹介したいと思います。

031 ①まずは、材料となる魚網についての

  説明です。

  横浜が海に近いということも有り、

  今回は支持体に魚網を使う事になり

  ました。

023_4 ② 作業をし易くするため、網を一旦

    地面にテーピングして固定します。

  魚網の網目を上手く使って、

  それぞれが思い思いに持ち寄った

  素材を、編みこんでいくのです。

  111_2 

③ マーゴさんとジョンさんの指導で、

    作業は始まりました。

横浜美術館の、外回廊を一杯に使っての

  制作です。

抜けるような真夏の青空の下、涼しい風の

吹き抜ける回廊は、とても心地よい制作

スペースとなりました。

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ヨコハマを編む ①

※ 過去記事から順に編集中です。御了承下さい。

横浜美術館 市民のアトリエ企画ワークショップ : ヨコハマを編む への参加 

期 間 :1999年 7 / 31 ・ 8 / 1 (以降、取材活動は前後して、約1カ月)

//  ヨコハマを編む とは?  //

  同時期に開催されていた、横浜美術館の企画展 「世界を編む」 との共同企画で、

市民のアトリエ主導で行なわれた、市民参加型のワークショップ。

 招聘されたアメリカ人アーティスト、ジョン・マックウィーン氏と、マーゴ・メンシング氏

の2名による指導で、横浜近郊在住の一般市民約30名と、スタッフを含めて総勢

50名ほどが、2日間のワークショップに参加しました。

 今回、アトリエ・ソレイユの講師は、ボランティア・スタッフとして、その経過を取材

するチームに参加。 映像作家によるVTR撮影補助、選ばれた合計4組のチーム

を取材し、それぞれのコンセプト作りに始まり、材料調達から当日の制作までを

追いました。

 ワークショップの他に、講演会も催され、バスケタリーの第一人者として高名な、

関島寿子氏も講演されました。

S990725a_1 以下、企画フライヤーです。S990725b

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